ブックタイトル近代セールス20200401

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概要

近代セールス20200401

業のホームページには、社長の出身校や独立前の職歴が掲載されていることも少なくない。 例えば、担当者と社長の出身大学が同じであれば、同窓の先輩・後輩という絆きずなで距離が縮まる。社長のほうが年上というケースが多いと思うが、「プロ野球の○○選手と同じ学年ですか?」「駅伝で優勝したころですね」といった会話で盛り上がるだろう。 出身学部が工学部などであれば、技術者気質の社長だと推察され、経営学部や経済学部であれば、マーケティングや経営学を学んだ営業気質の社長だと推察される。 ところが、中にはそのイメージが当てはまらない社長がいる。経済学部出身なのに工場にいることが多く、自ら商品開発を行うような社長がいたら、「社長はいつ技術を学ばれたのですか?」などと聞いてみよう。「私は2代目なんだけど、父に取引先で技術を学んで来いと言われ、3年間、他社で修行をしたんだ」といったエピソードを聞けるかもしれない。社長が話したい経歴を聞くことで盛り上がる 誰もが知る大手企業を辞めて起業したといった経歴であれば、「大手の××社にいらっしゃったのですね」などと水を向ければ、「20代でも責任ある仕事を任せてくれたので、やりがいがあったよ」「とにかく忙しかったが、良い経験だったよ」といった話が聞かれるだろう。 そこで「なぜ辞めようと思ったのですか?」と続ける。大手から独立した社長は、大抵は独立前と同じ業界で起業している。したがって「『前にいた会社ではできない何か』を見つけたから」という答えが想定される。それこそ社長の話したい話題なので、その返答には熱が入る。 ビジネスにおける「会話を盛り上げる」とは、面白いことを言って笑わせることではない。会話全体の1割を社長が、9割を担当者が話した場合、「今日は頑張って会話を盛り上げたぞ」と思うかもしれないが、それは自己満足にすぎない。自分は盛り上がったかもしれないが、肝心の社長が盛り上がっていない。 盛り上げるとは、社長に気持ち良く話してもらうこと。つまり、大切なのは社長が話したいことを聞くことだ。 ホームページでMBAの取得を大々的にアピールしているのであればそれを聞くし、「元コンサルティングファーム勤務でコンサルタントとして抜群の実績を収めた」「畑違いの仕事から転職した異色の経歴」などと謳っているのであればそれを聞く。話したいことを聞いてくれた人に、社長は好感を持つのである。HPでアピールしている資格や職歴などに注目してヒアリング企社長の経歴2・学歴・出身学部と実際の仕事内容が異なっているなら、その背景を質問する・前職の経験や独立の経緯についてもヒアリング。社長の熱が入る話題を投げかけようPOINT2020年4月1日号 14