ブックタイトル近代セールス20200401

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概要

近代セールス20200401

ームページに掲載が多い「社名の由来」や「経営理念・社是」などと並んで、社長の話したい話題が「創業の経緯」である。 行職員は日々多くの社長と接しているが、実際に企業を経営したことはない。様々な経営アドバイスも行っているが、大半の行職員は自分で会社を興すことはない。 目の前にいる社長はそれを実現した人だが、「100%成功する自信があった」「何の不安もなかった」という人はいないはずだ。社長は、そんな気持ちと戦いながら起業し、現在まで事業を継続しているのである。 だから、創業社長の心の中には、常に創業したときの思いがある。担当者としては、ホームページの沿革から創業年月日を確認して起業のきっかけを聞けば、若かりし日の社長の思いを知ることができるだろう。起業に至った動機といきさつを確認 例えば、自動車部品を製造する企業の社長に、「どうして起業しようと思ったのですか?」と聞いたとする。すると、「私は自動車が大好きなので、その製造にかかわる仕事をしたくてね」「もともと自動車メーカーにいて、××の部品製造を担当していたんだ。だが、その部品製造を外注することになったので、自分でやろうと考えたんだよ」といった話が聞かれる。前者は「動機」で、後者は「いきさつ」である。「動機」がなければ起業の決断はないし、「いきさつ」がなければ動機は行動に移されない。どんな動機・いきさつで社長が会社を興したのか、興味を持って聞いてみよう。 さらに、創業して、とんとん拍子にうまくいった企業は少ない。だから「創業当初は苦労も多かったのでしょうね」などと振ると、創業時の苦労話が聞かれる。大口受注が打ち切られたり、腹心の部下が退社したり、得意先からの値下げ圧力があったり、資金繰りに窮したりと、次々と話が出てくる。 社長は、日々決断を迫られている。そして、その決断に伴う結果責任を一身に負っている。そんなことに改めて気付くだろう。共感と尊敬の念を持って聞けば、社長は気持ち良く話してくれる。それが、社長にとっての「会話が盛り上がった」なのだ。創業にあたっての不安や苦労について共感を示しながら質問ホ創業の経緯3・会社を興すのは大きな決断であり、創業社長の心には常に創業時の思いがある・共感と尊敬の念を持って聞き、社長に気持ち良く話してもらうことが大切POINT特集 準備で差がつく!社長にうける会話術15 2020年4月1日号