近代セールス2015年4月1日号<デジタル版サンプル>

近代セールス2015年4月1日号<デジタル版サンプル> page 13/16

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概要:
そして2020年に開催される東京オリンピックなど、日本経済に影響を与える事柄が今後も多く予定されている。担当者としては、こうした中小企業を取り巻く経営環境の変化を踏まえ、取引先が属する業種にどんな影響....

そして2020年に開催される東京オリンピックなど、日本経済に影響を与える事柄が今後も多く予定されている。担当者としては、こうした中小企業を取り巻く経営環境の変化を踏まえ、取引先が属する業種にどんな影響を与えるのかしっかりと考えて訪問することが大切だ。これまで以上に、世の中の動きに敏感に反応し、取引先への影響を想像してみることが重要となっているのである。設備投資や人員増のための前向きな資金ニーズもでは、こうした経営環境の変化を受けて、実際にはどんな資金ニーズがあるのか。円安や原油安がプラスに働いている業種の中には、以前まではなかなか考えられなかった設備投資や人員増のための資金など、前向きな資金ニーズがある先も多い。特に、輸出企業は円安の追い風を受けて売上が増加している。その下請企業の中には受注増加に対応するため、設備投資を検討している先も少なくないだろう。また、東京オリンピックに向けた首都圏の再開発需要により受注が増加し、人材不足が問題となっている土木・建築業の取引先の中には、新たな人材を採用するための資金に加え、3Kを払拭して労働環境を改善するための設備資金を必要としている可能性もあるはずだ。こうした取引先の資金ニーズをつかむためには、他行に先駆けて、いち早く経営者に声かけを行い、情報をキャッチすることが必要だ。経済環境の変化はもちろんのこと、業界紙等から取引先の業界の最新トピックを調べて、経営者に質問を投げかけてみよう。「実はまだ検討段階なんだけど…」と言って融資の相談をしてもらえるかもしれない。一方で、円安等の影響によって原材料価格が上がり、厳しい経営を強いられている取引先であっても、コスト増に対応するための対策や、新たな事業展開を考えているという情報をキャッチできる可能性は少なくない。具体的には、仕入れコストを下げるために一括仕入れによる大量購入を考えている場合には、相応の仕入資金が必要となるだろう。インターネット販売を始めることで販売先を全国に広げたいと考えている場合には、事業拡大に対応するための運転資金や、ホームページ作成のための資金等が必要となるはずだ。補助金等の情報提供を積極的に行っていく現在のように、業種によって業績に大きな差が出ている経営環境では、取引先の悩みや課題も千差万別。金融機関の担当者には経営課題の的確な把握と親身な支援が強く求められている。ビジネスマッチングや、海外展開・事業承継のサポートなど、金融機関が取引先のためにできる支援は幅広い。いま特に力を入れたい活動の一つが、補助金等に関する情報提供だろう。国や県などでは、時流に合った各種補助金を用意している。例えば、2月に募集が始まった「ものづくり補助金」は、最大1000万円もの補助金が支給されることから興味を持つ取引先は多いはずだ。ほかにも、小規模事業者向けに最大50万円まで支給される「小規模事業者持続化補助金」など、取引先の経営課題の解決に役立つ補助金等は数多くある。補助金と融資を組み合わせた提案を行えば、取引先の負担軽減を図ることもできるはずだ。取引先の資金ニーズの発掘は、属する業界を取り巻く環境の変化を話題に、経営者に質問を投げかけてみることから始まる。現在進行中の経営環境の変化をチャンスと捉え、積極的にアプローチしていこう。●13 2015・4月1日号