近代セールス2015年4月1日号<デジタル版サンプル>

近代セールス2015年4月1日号<デジタル版サンプル> page 8/16

電子ブックを開く

このページは 近代セールス2015年4月1日号<デジタル版サンプル> の電子ブックに掲載されている8ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
景気は緩やかに持ち直している。昨年10?12月期の実質GDP成長率(2次速報)は、前期比+0・4%(年率換算値+1・5%)と3四半期ぶりにプラスとなり、景気が回復に転じたことが再確認された。年明け後の....

景気は緩やかに持ち直している。昨年10?12月期の実質GDP成長率(2次速報)は、前期比+0・4%(年率換算値+1・5%)と3四半期ぶりにプラスとなり、景気が回復に転じたことが再確認された。年明け後の経済指標も、景気が上向いていることを示している。1月の鉱工業生産指数は、一般機械類などの増加を受けて前月比+4・0%と堅調に増加し、上昇基調が鮮明となってきた。米国を中心とした海外経済の回復や円安によって、低迷が続いていた輸出が増加に転じたことが背景にあり、1月の実質輸出は前月比+5・0%と大幅なプラスとなった。賃金は上昇基調が定着化しており、1月の一人当たり現金給与総額は前年比+1・3%と11カ月連続で増加。雇用情勢も良好な状態を維持しており、1月の完全失業率は3・6%に上昇したものの、均してみれば低水準にある。こうした雇用・所得情勢の持ち直しを受けて、個人消費も緩やかに回復している。個人消費にとってプラス材料となるのが物価の安定である。1月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)の前年比の伸び率は、エネルギー価格の下落などを反映して前年比+2・2%まで縮小してきた。増税の影響を除くと同+0・2%まで低下している。原油価格は下げ止まり後も低水準であるため、エネルギー価格の下落はさらに進むと予想され、消費者物価指数の伸び率が一時的にマイナスに陥る可能性も出てきた。本格的な景気回復の期待景気回復の足取りが次第にしっかりする中、企業業績も順調に改善している。特に、原油安と円安の影響によって製造業の改善が著しい。非製造業にとって円安はむしろコストの増加要因となるが、原油安が円安のデメリットを打ち消している。2014年度の企業利益は過去最高益を達成する見込みであり、2015年度も原油安によるコスト削減効果が本格化することを勘案すると、増益基調が維持されよう。株価も業績改善に対する期待から堅調に推移しており、リーマン・ショック前の水準を上回り、約15 年ぶりの高値にまで回復している。今後、春闘によって賃上げの動きが広がれば、景気回復の動きが本格化するとの期待が高まり、株価はさらに押し上げられる可能性がある。(3月10日)●実質輸出と鉱工業生産指数の推移(出所)経済産業省「鉱工業指数」、日本銀行「実質輸出入」業績改善期待で進む株高原油安、円安を受けさらに上昇か景気が緩やかに持ち直し、企業業績が改善。株価は約15年ぶりの水準に。15年度も業績改善は続く見込みで、株価はさらに上昇の可能性。三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員小林真一郎2015・4月1日号8