ブックタイトル【試し読み】Financial Adviser 2017年4月号

ページ
37/100

このページは 【試し読み】Financial Adviser 2017年4月号 の電子ブックに掲載されている37ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

【試し読み】Financial Adviser 2017年4月号

037 Financial Adviserレーションを行うことが有効であるが、ライフプラン・シミュレーションをできない場合もあるだろう。その場合にはヒアリングを十分に行い、後々のクレーム防止のためにも、しっかりと記録に残しておきたいものである。 ここまでヒアリングした内容を総合的に勘案したうえで、顧客の投資目的を確認する。顧客の投資目的や保有金融資産が、ライフスタイルや今後のライフイベントに合っていない場合には、改善を促していかなくてはいけない。これが顧客本位の運用提案の基本スタイルである。 さらに詳しく聞いておきたいこととして、顧客自身がNISAや個人型確定拠出年金(DC)などの税制改正についてどの程度知っているかがある。 テレビや新聞等で、NISAや個人型DCなどの税制改正が行われていることは認知していても、その具体的な内容まで理解している顧客は少ないので、顧客が知らない場合にはポイントだけでも丁寧に教えておきたい。 顧客からすれば有益な情報を教えてくれる担当者の存在はありがたいものであるし、良き相談相手として信頼を得ることにもつながるはずだ。 ある程度投資経験を積んでいる顧客や、ニュースなどに対する情報感度の高い顧客の場合には、注目をしている市場・商品なども聞いておくことが望ましい。最近はインターネットなどで情報を得やすくなっているし、資産運用セミナーなどを行う金融機関も増えている。そのため、顧客の持つ情報量は以前とは比べ物にならないほど多くなっている。顧客が注目している市場・商品に関連した提案をタイムリーに行うことで、成約にもつながりやすくなるはずだ。 それに、投資経験を積んでいる顧客や情報感度の高い顧客は、独自の相場観を持っているものだ。そのため顧客自身の株式・為替等に関する相場の見通しについても確認をしておきたい。顧客が将来性や成長性などに疑問を感じている市場に投資する商品を勧めても、理解を得られにくいので成約の可能性が低くなってしまう。 あくまでも「投資は自己責任が原則」であるため、できる限り顧客の考えを尊重して提案を行わなくてはいけない。担当者の見通しと相違がある場合でも「このような見通しもありますよ」と言って、根拠となる資料などを示して気づきを与えるように心掛けよう。有名人の訃報などを用いて相続準備の必要性を伝える 顧客が高齢である場合には、相続への備えの状況も尋ねておきたい。遺言や相続税対策などの必要性は感じているものの、具体的には準備を進めていないケースが多いためだ。生存中は死を現実のものとして捉えられないことがその理由にあると思われる。交通事故や災害等の突然のこともあるということを伝えたり、有名人の訃報などを用いたりして、相続準備の必要性を伝えたい。 これは相続税が発生する顧客だけにはとどまらない。相続税対策の必要性がない顧客の場合でも、誰に資産を引き継ぎたいなどの希望は存在するし、受取人固有の財産という生命保険金の特徴を活かした提案にもつながる可能性があるためである。 顧客には「相続に対する備えはできていますか」と声を掛けることを習慣にしておくとよい。● ここまで触れてきたように、面談時のヒアリングについてはあらかじめ聞きたい項目を事前に決めておいて、面談のストーリーを考えておくことが大切である。面談を繰り返すことで慣れてくればほとんど準備をしないで自然に挑んでも構わないと思われるが、もし不安を感じるようなら、ヒアリング項目のチェックシートやヒアリングシートなどを準備しておくとよいだろう。特 集 「顧客本位」の提案できてますか?