ブックタイトル【試し読み】Financial Adviser 2017年4月号

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【試し読み】Financial Adviser 2017年4月号

041 Financial Adviser本当に余裕資金かを確認 顧客によっては、運用資金の一部は完全な余裕資金なので、この資金で積極的に運用したい、あるいは投資を楽しみたいというニーズを持っていることがある。 FPとしては、まず顧客のいう余裕資金が本当に余裕資金なのか、仮にこの部分の運用で大きな損失を被ったとしても生活等に大きな影響を与えないのかを確認する必要がある。 確認した結果、余裕資金の設定額に問題がないとわかった場合は、次に顧客が具体的にどういう運用を希望しているかをヒアリングで確認する。 中長期の運用で大きく増やしたいと思っているのか、短期売買で積極的に値上がり益を獲得したいと思っているか、などについて具体的なイメージをすり合わせる必要がある。 その際、FPとしての運用アドバイスは長期・分散投資が基本であり、顧客が短期売買を希望する場合は、その難しさを指摘してあげたほうがよい。 短期で利益を得ようとする場合、株式の個別銘柄のように値動きが大きな資産に投資する必要がある。値動きが小さな資産に投資しても、短期で利益を得るのは難しいからである。 このとき、相場変動を上手に捉え続けられれば、短期売買を繰り返したほうが資産を大きく増やすことが期待できる。しかし、相場を当て続けるのは極めて難しいのが実情である。 また、短期投資では売買のタイミングが大事なので、相場動向を追いかけていく必要があり、運用に時間をかなり取られる。さらに、短期売買を繰り返すと、税負担や手数料負担がかさむので複利効果が低減してしまう。 つまり、短期投資は手間がかかる割に、長期にわたって利益をあげ続けることが難しい投資手法だといえる。銘柄選びは顧客に任せる 顧客に短期投資の難しさを説明した後でも、短期売買を希望する場合は、個別銘柄に関する具体的なアドバイスは、これを本業とする人でなければ難しいので、FPとしては、短期投資に振り向けても今後の生活に問題がでない「大丈夫な金額」だけを設定してあげて、具体的な銘柄選びや投資タイミングの判断は顧客に任せるべきである。 長期・分散投資の効果を理解してもらえた場合は、投資信託を使った分散投資を提案する。顧客が株式の個別銘柄の運用も組み入れたいと希望する場合は、投資信託で運用する部分と個別銘柄で運用する部分を具体的に設定してあげ、個別銘柄で運用する部分の具体的な運用はやはり顧客自身に任せるべきである。 FPとしてアドバイスできることとできないことを、明確に顧客に伝えることも大事である。余裕資金で投資を楽しみたいという場合の運用提案今後の生活に問題がでない「大丈夫な金額」を設定する: 4 Case特 集 「顧客本位」の提案できてますか?