ブックタイトル【試し読み】Financial Adviser 2017年4月号
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【試し読み】Financial Adviser 2017年4月号
071 Financial Adviser不安はあって当たり前 4月は新しい会社や部署で働き始める人も多い季節ですね。期待に胸を膨らませている方もいらっしゃる一方で、「自分は新しい職場でちゃんとやっていけるのだろうか」と不安に感じている方も少なくないのではないかと思います。 私たちは、不安を感じている自分を「イケてない」と考えがちですよね。「もっとポジティブに考えないと!」と、無理にでも気持ちを明るい方向に持っていこうしたりしていないでしょうか。 感情には、それぞれ役割があります。例えば「悲しい」という感情は、何か大切なものを失ったと感じていることを自分に知らせてくれるサインです。そして「不安」は、未来に何かリスクがあると感じていることを知らせてくれるサイン。 新しい職場でどんな仕事や人間関係が待っているかは予想しきれませんから、リスクがあると感じるのはある意味で適切な反応です。多少の不安はあって当たり前で、「イケてない」と思う必要はないのです。いまここに集中しよう とはいえ、本来のパフォーマンスが発揮できないほどに不安が高まってしまうのは困ったものです。そんなときは「いま、ここ」に集中することを心がけてみましょう。 先ほどもお話ししたように、不安は未来に対する感情です。これからやらなければならない仕事の量や質、これからの上司や同僚との人間関係、先のことを考え始めると気になることがたくさん出てきますね。 でも、「いま、この瞬間」に目を向けてみてください。いま、この連載を読んでくださっているこの瞬間に、それほどネガティブなことがあなたに起こっているでしょうか? 多少の不安を感じて未来のリスクに対して備えることはもちろん必要な場合もあります。でも、いまがおろそかになってしまうほど不安に支配されてしまっているときは、「いま、ここ」にしっかりと戻ってくることが大切ですよね。マインドフルネスと「54321法」「マインドフルネス」という言葉をご存知ですか? 判断や評価を下したりすることなく「いま、ここ」の現実や感覚に気づいていくことを意味する言葉で、一般書もたくさん出版されるほど注目を集めています。 今回は、マインドフルネスと似た方法で私がおすすめしている「54321法」をご紹介します。 まず、聞こえるものを心の中で5つ数えます。「空調の音、誰かの足音、自分が息を吸う音…」どうしても5つ見つけられなければ、同じ音を2回カウントしても構いません。 次に体に感じるものを5つ数えます。「足が床についている感覚、おしりが椅子に支えられている感覚…」これはどんなときでも必ず5つ以上見つけることができます。 これを「聞こえるものを4つ」「感じるものを4つ」「聞こえるものを3つ」と繰り返していくと「いま、ここ」に注意が集中して自然に不安がおさまってきます。自己紹介やプレゼンの直前などにぜひ試してみてください!「新しい職場」という不安は、こう越える医学博士、精神科医、産業医。うつ病の予防などをテーマに数多くの学術論文を出版している。著書『うつ病にならない鉄則(マガジンハウス)』や各地での講演は、親しみやすくわかりやすい言葉で深い気づきを与えると高く評価されている。この連載を通してFPのみなさんに職場のストレスを乗り越えるヒントを提供できることを楽しみにしている。国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所室長西 大輔(ニシ ダイスケ)第1回